Naoto Yamada Bass player

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ベースのTab譜動画の作り方

【弾いてみた】に流れるTab譜を重ねる手順

2026年10月27日 ・ ヤマダ ナオト(été / Lowline 開発者) ・ Lowline 1.0.5 で確認

この記事でわかること
  • Tab譜動画の3つの作り方と、それぞれの手間
  • Lowlineで書き出して、動画編集ソフトで重ねる手順
  • 背景(緑・黒・白)の抜き方と選び方

演奏動画の下に、Tab譜が横に流れていく動画。ベースの弾いてみたやカバー動画で、よく見かけると思います。

作り方は大きく3段階です。

  1. Tab譜を作る
  2. Tab譜が流れる動画にする
  3. 演奏動画に重ねる

手間が大きく変わるのは2段目です。ここをどうやるかで、1本作るのにかかる時間がまるで違います。

完成見本(10秒・音あり)。演奏動画の下に、Lowlineで書き出したTab譜を重ねたものです。

01

Tab譜動画の作り方は3通り

作り方やること手間向いている人
① 再生画面を録画するTab譜ソフトで再生して、その画面を録画する中くらい。タイミングは手で合わせる。録画したTab譜がカクつくことがある今あるソフトで、とりあえず作りたい人
② 画像を動かすTab譜を横長の画像やPDFにして、動画編集ソフトのキーフレームで動かす多い。曲に合わせて動かす作業とタイミング合わせを手でやる見た目を細かく作り込みたい人
③ 流れる動画を書き出すTab譜ソフトから動画を書き出して、演奏動画に重ねる少ない手軽に作りたい人

②のやり方は、こちらの記事でも詳しく紹介されています。

ちなみに定番の Guitar Pro 8 は、公式の機能一覧を見る限り、動画の書き出しがありません(2026年10月時点)。Guitar Pro で作るなら、①か②になります。

③ができるソフトには、ブラウザで使える無料の notave(2026年10月時点では、書き出した動画に透かしが入ります)や、Lowline があります。

以前は1本に15分かかっていました

私も以前は、①か②で作っていました。Tab譜作成ソフトのFlatで横長のTab譜をPDFに書き出して、動画編集ソフトのキーフレームで動かす。または、Tab譜ソフトの再生画面を録画して、演奏動画に合わせる。

どちらも、1本に15分くらいかかっていました。時間がかかる理由は2つです。

  • タイミングを手で直すしかない。PDFにも画面録画にも演奏動画と同じ曲の音が入っていないので、編集ソフトの「音声で自動同期」が使えません
  • 画面録画だと、Tab譜がカクついてスムーズに流れません

Lowlineなら、曲の音源を取り込んでおけば、音源入りのTab譜動画を書き出せます。あとは演奏動画と自動同期させるだけで、タイミングが合います。再生もカクつかずスムーズで、色も自由に変えられます。

どれくらい違うのか、同じ曲の同じ所で比べてみました。

上が以前のやり方(Flatの再生画面を録画)、下がLowlineで書き出した動画です。同じ小節を流しています(音なし)。

1コマごとに譜面が横に動く量を、24秒ぶん測ってみると、こうなりました。

1コマで動く量止まっていたコマ
以前のやり方(Flatの画面録画)0〜71 とバラバラ7コマに1コマ
Lowlineの書き出し毎コマ同じ(12)なし

以前のやり方の動画は、動いたり止まったりをくり返していました。これがカクついて見える理由です。

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Lowlineで作る手順

ここで書いているボタンの名前は、日本語表示のときのものです。Lowlineは最初は英語表示なので、左のサイドバーの「Settings」→「Language」で日本語に切り替えてください。

1. Tab譜を用意する

打ち込みは、マスを選んで、音の長さを選んで、フレット番号を数字キーで打つだけです。Spaceで再生して、聴きながら直していきます。イチから打たなくていい方法も2つあります。

  • ほかのソフトで作った譜面を開く:Guitar Pro 7・8 のファイル(.gp)や MusicXML を「開く」から取り込めます
  • 自分のベースの録音から下書きを作る:エフェクトをかけていない、ベースだけの録音(WAV)を解析して、Tab譜の下書きを出せます。あくまで下書きなので、聴きながら直して仕上げます

詳しい打ち込み方は使い方ガイドにまとめています。

2. 曲のテンポに合わせる

動画のTab譜は、譜面のテンポで流れます。なので、テンポと拍子を曲にぴったり合わせておきます。曲の音源(WAV)を読み込むと、Tab譜と曲を一緒に鳴らして、ずれていないか耳で確かめられます。

  1. 左のサイドバーの「伴奏の音源」で「音源を読み込む」を押して、WAVを選ぶ(画面にドラッグしても入ります)
  2. 「音源エディタを開く」で、Tab譜の1小節目が曲のどこから始まるかを合わせる
  3. 再生して、ずれていないか聴く

途中でテンポや拍子が変わる曲は、小節番号をクリックすると、その小節から変えられます。

Lowlineで曲の音源を読み込んだ画面。上に曲の波形、左に伴奏の音源と開始位置
上が曲の波形、左が「伴奏の音源」です。開始位置で、1小節目と曲の頭を合わせます。

3. 「書き出し」→「動画」で書き出す

ツールバーの「書き出し」から「動画」を選びます(英語表示なら Export → Movie)。設定画面のいちばん上に、書き出す前の見本が1コマ出るので、見ながら決められます。

項目選べるものおすすめ
譜面の見た目PDFと同じ/編集画面と同じ「PDFと同じ」は数字に棒や旗が付いてリズムが分かる。「編集画面と同じ」はTab譜の下にリズム譜も出せる
画面に出す小節数1〜41.5(推奨)。少ないほど大きく、速く流れる
カウントイン曲の頭に1小節オン。映像と合わせるときの目印になる
再生位置弾いた音を光らせる好みで
音声クリック/音源/ベースの音源/Tab譜の再生音「音源」を入れる(演奏動画との自動同期に使う)。音源は読み込んだものだけ出る
色グリーンバック/ブルーバック/黒/白/カスタム下の「背景の抜き方」を見て選ぶ
フレームレート30fps(標準)/15fps(軽量)30fps

大きさは 1920×1080 です。保存先を選んで「書き出す」を押せば、MP4ができます。書き出しが終わるまで、ウィンドウは閉じないでください。

Lowlineの「動画を書き出す」の設定画面。音声と色の欄
「音声」と「色」がポイントです。

4. 動画編集ソフトで重ねる

私はいつもFilmoraを使っているので、Filmoraの手順で説明します。

  1. 演奏動画を下のトラック、書き出したTab譜の動画をその上のトラックに置く
  2. 2つのクリップを両方選んで右クリックし、「自動同期」を選ぶ。音で合わせてくれます
  3. 合ったら、Tab譜動画の音はミュートする
  4. 背景を抜く(下の「背景の抜き方」)
  5. 大きさと位置を決める(画面の下に置くことが多い)
Filmoraで演奏動画とTab譜動画の2つを選び、右クリックで「自動同期」
2つのクリップを選んで右クリック →「自動同期」。

自動同期には、書き出しの「音声」に「音源」を入れておくことが条件です。音源を読み込んでいないときは、カウントインのクリックを目印にして、曲の1拍目と手で合わせます。

DaVinci Resolve、Final Cut Pro、Premiere Proにも、音の波形で自動で合わせる機能があります。縦のショートやリールでも、横長のTab譜を縮めて帯のように置けば使えます。

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背景の抜き方は2通り

背景は、クロマキーで抜くか、合成モードで抜きます。合成モードなら、モードを1つ選ぶだけで抜けます。キーヤーの調整はいりません。

書き出しの「色」抜き方向いている映像
グリーンバック/ブルーバッククロマキーどんな映像でも。譜面を好きな色にしたいときもこれ
黒(譜面は白)合成モードを「スクリーン」に暗めの映像(ライブハウス、黒い壁の前など)
白(譜面は黒)合成モードを「乗算」に明るめの映像(白い壁の部屋など)
  • スクリーンは、黒いところが透けて、明るいところが残ります
  • 乗算は、白いところが透けて、暗いところが残ります
Lowlineで書き出した緑・黒・白のTab譜と、それぞれクロマキー・スクリーン・乗算で演奏動画に重ねた結果
白の譜面+乗算は、暗い服の上だと黒い文字がほとんど見えません。映像の明るさで選びましょう。

設定する場所

編集ソフトクロマキー合成モード
Filmoraクリップを選ぶ →「ビデオ」→「AIマットツール」→「クロマキー」をオンクリップを選ぶ →「ビデオ」→「ベーシック」→「合成」をオン →「ブレンドモード」
DaVinci Resolveエフェクトの「3Dキーヤー」インスペクタ →「ビデオ」→「合成」→「合成モード」

Final Cut Proなら「ブレンドモード」、Premiere Proなら「描画モード」の中に、同じ「スクリーン」「乗算」があります。

Filmoraの「AIマットツール」のクロマキーと、「ベーシック」の合成→ブレンドモード(乗算・スクリーン)
Filmoraのクロマキー(左)とブレンドモード(右)。

気をつけたいこと2つ

  • 映像の明るさで選ぶ。白い譜面は明るい映像の上だと、黒い譜面は暗い映像の上だと見えにくくなります
  • 色付きの譜面は合成に向きません。透けるのは真っ黒・真っ白のところだけで、色の付いた譜面は下の映像と混ざって薄くなります。色付きにしたいなら、グリーンバックかブルーバックで書き出してクロマキーで抜いてください

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うまくいかないとき

演奏とTab譜がだんだんずれる
テンポが曲と合っていません。手順2で、曲と一緒に鳴らして確かめてください。途中でテンポが変わる曲は、変わる小節にテンポの変更を入れます。
自動同期がうまくいかない
演奏動画に曲の音が入っているか確かめてください。ベースの音だけを録った動画だと、音源と波形が合わないことがあります。そのときは、カウントインのクリックを目印に手で合わせます。
文字が小さい/流れるのが速すぎる
「画面に出す小節数」を変えます。1にすると大きく速く、4にすると小さくゆっくり流れます。
緑が抜けきらない/服や楽器の緑まで消える
「色」をブルーバックに変えるか、黒・白で書き出して合成モードで抜きます。
書き出しに時間がかかる
フレームレートを15fps(軽量)にします。

FAQ

よくある質問

YouTubeの動画からTab譜を作れますか?
Lowlineに読み込めるのはWAVの音声ファイルです。曲全体の音からベースだけを抜き出す機能はありません。ベースだけの録音(自分で録ったものや、ベースのステム)があれば、そこから下書きを作れます。
縦動画(9:16)で書き出せますか?
書き出せるのは1920×1080の横長だけです。縦の動画には、編集ソフトで縮めて帯として置きます。
Windowsでも使えますか?
使えます。MacとWindowsに対応していて、1つのライセンスでMacとWindows合わせて2台まで使えます。
ギターのTab譜も作れますか?
Lowlineはベース専用です。4〜7弦のベースに対応しています。

作った本人として、少し自慢させてください

再生されるベースの音は、指弾きとスラップを実際に録音したものです。しかもCleanとDistを切り替えられます。ヘビーミュージックをクリーンな音色で打ち込むのは、惨めな気分になるので。

曲の音源と一緒に鳴らせるので、そのフレーズが曲の中でどう鳴っているかも確かめられます。書き出す動画に音源も入れられるので、アレンジしたベースラインをメンバーに送って、音と譜面で確認してもらう使い方もできます。

記譜して残すところから、発信に使うところまで。我ながら気が利く設計だと思っています。

逆に、できないこと

  • ベース専用(ギターなどは書けません)
  • 読み込める音声はWAVだけ
  • 書き出せる動画は横長の1920×1080だけ

まずは音を鳴らしてみてください

Lowlineは、MacとWindowsで使えるベース専用のTab譜エディタです。価格は2,980円(税抜)の買い切りです。

パソコンのブラウザで触れるお試し版もあります。étéの「言ゥ虎pia」のTab譜を再生して、音色やミキサーを試せます(打ち込みと書き出しは製品版の機能です)。

作ったTab譜動画、ぜひ見せてください🕺

ヤマダ ナオト
この記事を書いた人 ヤマダ ナオト été ベーシスト / Lowline 開発者

アニメ『けいおん!』の影響でベースを始め、東京スクールオブミュージック専門学校でルーツミュージックを学びました。いまはバンド「été」のベーシストとして活動しながら、YouTubeでのベース動画、ライブサポート、レコーディング、レッスンをしています。ベース専用のTab譜エディタ「Lowline」も自分で作っています。