Naoto Yamada Bass player

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ベースのリズム、走ってる?もたってる?

弾いて点数で確かめる。無料のブラウザ採点ツール Tightline の使い方

2026年10月30日 ・ ヤマダ ナオト(été / Lowline 開発者)

この記事でわかること
  • 自分のリズムのずれを、ms(1000分の1秒)単位で確かめる方法
  • Tightline の使い方(つなぎ方・レイテンシー・採点の見方)
  • 結果から、次に何を練習すればいいかの見つけ方

バンドで「ちょっと走ってるね」と言われたことはありませんか。自分では合っているつもりでも、録音を聴き返すと、どこかずれている。でも、どの音が、どれくらいずれているのかまでは分からない。

そこで、弾いたベースを採点してくれるツールを作りました。Tightline(タイトライン)です。TAB に合わせて弾くと、タイミング・音程・音の切り方・粒(音量のそろい方)を点数にして、1音ずつ「12ms 遅い」のように教えてくれます。

ブラウザで開くだけで使えて、無料・登録なしです。この記事では、使い方と、結果を練習につなげるコツを紹介します。

Tightline の演奏画面。右から流れてくる5弦の TAB を黄色い線で弾き、PERFECT の判定と LIVE の点数が出ている
演奏画面。TAB が右から流れてきて、黄色い線のところで弾きます。弾くたびに PERFECT・GREAT などの判定が出ます。

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録音を聴くだけでは、ずれの大きさが分からない

リズムを確かめる方法としてよく言われるのは「クリックに合わせて録音して、聴き返す」です。これはとても大事です。ただ、耳で分かるのは「なんとなく前のめり」くらいまでで、どの拍の、どの音が、何 ms ずれているかまでは分かりません。

ずれがどれくらい小さいかを、数字で見てみます。

テンポ16分音符1つの長さ
BPM 90約 167ms
BPM 120125ms
BPM 150100ms

Tightline では、弾くべき時刻から ±20ms 以内なら「ジャスト」(PERFECT)です。BPM 120 の16分音符の6分の1より小さい幅です。このくらいのずれを毎回耳で聴き分けるのは、正直かなり難しいです。

DAW で波形を見る方法もあります

DAW でクリックに合わせて録音し、波形を拡大してグリッドと見比べれば、ずれは目で確かめられます。ただ、1音ずつ見ていくのは手間がかかります。Tightline は、この「録音して、1音ずつ見比べる」を自動でやってくれる道具だと思ってください。

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Tightline でできること

TAB に合わせて弾いた録音を、4つの項目で採点して、100点満点の点数にします。

項目見ていること点数の重み
音程譜面どおりの音が鳴っているか。違う音・弾けていない音を見つけます40%
タイミング弾くべき時刻と、実際に弾いた時刻のずれ35%
音の切り方休符のところで、音をちゃんと止めているか15%
粒音の大きさがそろっているか10%

譜面に無い音が鳴っていたら、1つにつき1.5点(最大10点)引きます。1音ずつの判定は、リズムゲームのように4段階です。

判定ずれの大きさ
PERFECT±20ms 以内(音程も合っている)
GREAT±40ms 以内
GOOD±80ms 以内
MISS80ms を超えた・違う音・弾けていない

点数にはランクが付きます。SS は98点以上、S は93点以上、A は85点以上、70点以上の B でクリアです。

弾ける曲

  • 定番フレーズ 28本:ロック・ポップス・ファンク・スラップ・ジャズのウォーキング・レゲエ・メタルなど14ジャンル。難しさは入門・初級・中級・上級・達人の5段階です
  • 最難関:私のバンド été の曲「言ゥ虎pia」のイントロ(5弦のスラップ)。85点以上で Lowline をプレゼントしています(5章)
  • 自分の譜面:Lowline・Guitar Pro・MusicXML のファイルを開けば、どの曲でも採点できます(1回16小節まで)。譜面が無ければ、ブラウザで打ち込むこともできます
Tightline の最初の画面。最難関の言ゥ虎pia(イントロ)と、難しさの色が付いた定番フレーズの一覧
最初の画面。いちばん上が最難関、その下に自分の譜面と定番フレーズの一覧が並びます。行の左の ▶ で試聴できます。

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使い方

1. ベースをつなぐ

パソコンの Chrome・Edge・Safari で Tightline を開いて、「マイク・インターフェースを使う」を押します。ブラウザにマイクの使用を許可すると、つながります。

  • オーディオインターフェースがいちばん確実です。ベースを直接つなぐので、ほかの音が混ざりません
  • パソコンのマイクでも使えます。そのときは、クリックやドラムが録音に入らないよう、ヘッドホンで聴いてください
  • Bluetooth のイヤホンは使えません。音の遅れが毎回変わるので、タイミングを正しく測れません
  • エフェクトはかけずに、素の音で弾くのがおすすめです

2. レイテンシー(機材の遅れ)を測る

インターフェースやパソコンを通ると、音はほんの少し遅れて届きます。これを測っておかないと、ぴったり弾いても「遅い」と出てしまいます。最初に1回だけ、「テスト譜面で測る」を押してください。

クリックとドラムに合わせて、開放弦を8分音符で16回弾くだけです。測った遅れの分を、このあとの採点で差し引きます。

レイテンシーを測った結果。「合わせました。この機材の遅れは 44ms」と、弾いた16回の打点
弾いた16回の打点が点で出ます。線が合わせる遅れ、帯がジャストの幅(±20ms)です。

測るたびに数 ms は揺れますが、±20ms 以内はタイミング満点なので、点数には出ません。気になるときは「確かめる」でもう1回弾くと、合っているかを答え合わせできます。インターフェースを替えたときや、バッファサイズを変えたときは測り直してください。

3. 曲を選んで REC

曲を選んだら、REC を押します(スペースキーでも始まります)。1小節のカウントのあとに TAB が右から流れてくるので、黄色い線のところで弾きます。最後まで弾くと、自動で採点が始まります(弾き終わってすぐ STOP を押しても大丈夫です)。

演奏中の画面。上が流れる TAB、下が同じ速さで流れる TAB 譜。MISS の判定と LIVE の点数
上が音の長さの帯で流れる TAB、下が同じ速さで流れる TAB 譜(五線譜にも切り替えられます)。右下の LIVE は、その場の点数の目安です。

弾く前に決められることは、こんな感じです。

項目できること
小節何小節目から何小節目まで弾くか。苦手な所だけの部分練習に
速さ50〜100%。遅くしても音程は変わりません
お手本を聴く譜面どおりの音を、先に聴いておけます
ミキサークリック・ドラム・お手本の音量。ドラムはベースラインに合わせて叩きます
表示下の段を TAB 譜か五線譜に。大きさは 75〜200%

点数が自己ベストとして残るのは、元の速さで全部の小節を弾いたときです。

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結果の見方と、練習へのつなげ方

結果の画面。A ランク 86.8点、タイミングのずれの帯、4項目の点数、「8分の裏が 26ms 遅れがちです」などのひとこと
結果の例。「8分の裏が遅れがち」「休符で音が残っている」と、直す所を具体的に教えてくれます。

タイミングのずれ:走り派か、もたり派か

左の「タイミングのずれ」の帯には、1音ずつのずれが縦線で並びます。真ん中の 0 より左は早い(走り)、右は遅い(もたり)です。線が片側に寄っていたら、あなたの癖です。

ひとこと:どの拍でずれるか

右側の「ひとこと」がいちばん役に立ちます。全体のずれだけでなく、拍の頭・8分の裏・16分の裏・3連のうち、どこでずれやすいかまで教えてくれます。たとえば「8分の裏が 26ms 遅れがちです」と出たら、表はちゃんと弾けていて、裏で遅れているということです。

ほかにも、違う音や弾けていない音がどの小節にあるか、休符で音が残っている小節、音の大きさのばらつき(±dB)が出ます。

譜面全体:どの音がずれたか

下の「譜面全体」では、1音ずつ判定の色が付きます。音を押すと「12ms 遅い・音程 OK」のように細かく見られます。

譜面全体。PDF と同じ描き方の TAB 譜に、判定の色が付いている
オレンジは GOOD か、音の切り方がよくなかった音です(MISS は赤)。

練習のしかた

  1. 「ひとこと」で、いちばん大きい問題を1つ選ぶ(ずれやすい拍・音が残る小節など)
  2. 「苦手な小節を練習」を押す。点の低かった小節だけを、75%の速さで弾けます
  3. その1つだけを意識して、何回か弾く
  4. 元の速さに戻して、全体を通す

「自分の演奏を聴く」「お手本と重ねて聴く」で、ずれを耳でも確かめられます。点数と音を両方使うと、ずれの感覚がつかみやすくなります。

100点は、かなり難しいです

私が TAB どおりに弾いた本物の録音(自分のバンドの曲など40区間)を採点すると、平均は約91点でした。タイミングが完璧な Lowline の再生音でも、約98点です。80点台が出たら、十分にちゃんと弾けています。

採点の正確さも測っています。1割の音のフレットを1〜2つずらした譜面で採点すると、ずらした音の84%を「違う音」と見つけ、合っている音を間違って「違う」と言ったのは3.5%でした。弱いところもあって、1オクターブ下で弾いた間違いや、ハンマリング・スライドで着いた音の高さまでは見分けられません。

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最難関に挑戦する

最初の画面のいちばん上にある「最難関」は、私のバンド été の「言ゥ虎pia」のイントロです。5弦のスラップで、サム・ゴースト・プルが16分で詰まった8小節(BPM 115・106音)。本物のバンドの音(ドラムとギター)と一緒に弾けます。

85点以上を出した方には、Lowline をプレゼントしています。結果に出る「録音を提供して応募する」から、録音とメールアドレスを送ってください。私が録音を聴いて、ご本人の演奏だと確かめたら、Lowline のライセンスをメールでお送りします。期限も人数の上限もありません(予告なく終わることはあります)。もう Lowline を持っている方は、ほかの人に贈れます。

最難関で85点を超えたときの結果。「クリア! Lowline をプレゼント」と「録音を提供して応募する」のボタン
85点を超えると、結果に応募のボタンが出ます。

ランキングと、結果のシェア

定番フレーズと最難関には、ランキングがあります。ニックネームを決めて「参加する」と、自己ベストが載ります。送るのはニックネームと点数だけです。私も「Naoto(été)」の名前で参加しています。抜いてください。

「結果をシェア」を押すと、点数と1音ずつの判定を並べた画像ができます。X や Instagram に貼って、友だちに「この曲、何点出せる?」と挑戦状を出せます。

シェア用のスコアカード。曲名、ランクと点数、1音ずつの判定を色の四角で並べたもの
シェア用の画像。四角1つが1音で、色が判定です。

FAQ

よくある質問

本当に無料ですか? 登録はいりますか?
無料で、登録もいりません。ページを開けばすぐ使えます。
録音はどこかに送られますか?
録音も採点も、あなたのブラウザの中だけで行います。送るのは、ランキングに参加したときのニックネームと点数だけです。90点以上で出る「録音を提供する」(Lowline の解析の改良に使います)や、最難関の応募を自分で押したときだけ、録音を送ります。
スマホでも使えますか?
スマホのブラウザでも開けますが、TAB が小さくなるので、パソコンのほうが弾きやすいです。
どの音もずれている、と出ます
「どの音も同じだけずれています」と出たら、レイテンシーが合っていません。テスト譜面で測り直してください。Bluetooth のイヤホンは使えません。
5弦ベースでも使えますか?
使えます。最難関は5弦の譜面です。自分の譜面なら、譜面に書いた弦の数で採点します(定番フレーズは4弦の譜面です)。
ピックやスラップでも採点できますか?
できます。設定の「弾き方」で、指・ピック・スラップを選んでください。音の立ち上がりの聞き取り方が変わります。
自己ベストの演奏は残りますか?
曲ごとに、自己ベストの録音と結果がブラウザに残ります。いつでも聴き直せて、WAV で保存もできます。

作った理由

カラオケの採点みたいに、ベースも弾いたら点数が出たら、練習がもっと楽しくなるのでは。そう思って作りました。

中身は、私が作っているベースの TAB 譜エディタ「Lowline」の、録音から TAB を作る解析の技術を使っています。Lowline で作った自分の曲の TAB を開けば、その曲を採点できます。

ぜひ1曲弾いてみて、点数を教えてください🕺

こちらの記事もどうぞ:ベースのTab譜動画の作り方

ヤマダ ナオト
この記事を書いた人 ヤマダ ナオト été ベーシスト / Lowline 開発者

アニメ『けいおん!』の影響でベースを始め、東京スクールオブミュージック専門学校でルーツミュージックを学びました。いまはバンド「été」のベーシストとして活動しながら、YouTubeでのベース動画、ライブサポート、レコーディング、レッスンをしています。ベース専用のTab譜エディタ「Lowline」も自分で作っています。